CAM型光合成とは
そもそも光合成とは、空気中から二酸化炭素、根などから水を取り込み、光エネルギーを活用して、有機物を作り出すこと。植物は生成した有機物を利用して成長していく。
多くの植物は昼間に気孔を開いて、二酸化炭素を取り込み光合成をする。ただし、この場合、開いた気孔から水分が失われる。
そこでサボテンのような乾燥した環境に生息する植物は、暑い昼間の間は気孔を閉じておき、涼しくなった夜に気孔を開く。夜の暗い間は光が無く、そのまま取り込んだ二酸化炭素で光合成できないので、一旦、リンゴ酸などの有機物に変化させて体内に蓄えておく。蓄えた有機物を昼間、太陽が昇ったら二酸化炭素に戻して光合成をする。これをCAM型光合成という。
ちなみにある種のサボテンは食べることができますが、基本的にサボテンには酸味があります。そして、その酸味は朝方に収穫した方が強いらしいです。これは夜間に生成したリンゴ酸が朝の方が酸味としてたくさん残っており、昼間に光合成する中でリンゴ酸が消費されていき、酸味が薄くなってくるというわけです。
【参考文献】
ガイ・バーター著、北綾子訳『英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ』(河出書房新社、2018年)