ダン・トーレ『サボテンの文化誌』(原書房、2021年)
著者は相当なサボテン好きと思われる。
植物としてのサボテンの形態、人間がサボテンをどう利用してきたか、キャラクターとしてのサボテン、食用としてのサボテン等、取り上げられているテーマは多岐に渡り、色々な角度からサボテンについて語られている。特にサボテン好きは持っておいて損のない一冊と感じた。
特に印象にのこったのは「サボテンを食べる」という章が設けられており、27ページに渡って食用のサボテンについて語られている。ウチワサボテンの「葉」や果実は食べられるとして一般的にも有名だが、ウチワサボテンでも、その花を食べたり、種を挽いて食べるという用途がある。
ウチワサボテン以外の種類のサボテンも食べられているという。例えば、柱サボテンの一種にはとても美味しい実がなる種類もあるとのこと。また、原始的なサボテンで木の葉サボテンという一見すると普通の樹木のようなサボテンがあるが、その一種、杢キリンの葉はほうれん草のようにして食べられているという。
是非、杢キリンは入手したら、その葉を食べてみたいと思った。